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パリ生活:リアル『ニュー・シネマ・パラダイス』

2017/02/09

パリに来て一番感動した出来事がシネマテーク・フランセーズでありました。フランスと日本の映画教育の格差を大きく見せつけられた1時間半。

この日はシネマテーク・フランセーズでフランク・キャプラの映画が立て続けに5本上映。さすがに全部観ると帰るのに勇気が要る時間なので3本で我慢。

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90年前のサイレント映画の驚くべき観客たち

午後3時、1本目の映画『THE STRONG MAN(英題)』。邦題は『当たりっ子ハリー』で1926年製作のサイレント映画です。無声映画といえばチャップリンとかの映画が有名だけど、キャプラの無声映画は知らなかったなあ。

シアターはほぼ満席。しかも驚くべきは半分以上が4〜6歳くらいのちびっ子を連れた親子。この数はどこかの園児が鑑賞会かなんかで来たのかもしれないけれど、こんな機会を作っちゃうフランス人すごい。あとはキャプラの映画のファンやシネフィル層だと思います。

この映画、80分近くあるので飽きた子供が騒ぎ出したりしないか心配したのですが全くの無駄な心配でした。終始みんな席についてスクリーンに釘付け。

老若男女が同じ映画を観て「ハハハ」と笑ったり「オォ〜」と驚いたり「アァ〜」と落胆したりする空間。まさにリアル『ニュー・シネマ・パラダイス』でした。本当にタイムスリップしたような感覚。今でもちょっと信じられない。

シネマテーク・フランセーズ,パリ
3メートルくらいある巨大ポスター

その根底にあるものとは?

フランスの子供たちは何の抵抗もなくモノクロで画質の荒いフィルム映画を観て育つのだろうか。何も古い映画が良いと言うわけではなくて、人の感性を刺激する映画を物心つく前から観るということが人生体験として素晴らしいと思うのです。映画への抵抗を無くす第一歩でもある。

字幕を理解できない小さな子供の隣でお父さんが一生懸命シーンの解説をしている姿をみたとき、これは1つの伝統なんだなとも思いました。きっとこのお父さんも自分が子供の頃、両親から同じように教えられてきたんだろうなあ。日本はもう手遅れですね。100年も前の映画を子供に見せようなんて映画好き以外考えもつかないでしょう。

でも成人した私でさえ感性が大きく動かされる映画ですから、幼少期にみた暁には大人になってもどこか片隅に記憶として残るはず。こうしてフランス人はいつまでも映画を生活の一部として共にしてゆくのだろう。

余談:今回映画に合わせた生演奏付きだったのですが、それを通常料金で観れるのは嬉しかった。映画のイメージと合うかどうかはまた別の話?

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