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『ゼロ・グラビティ』原点の映画『ノー・エスケープ 自由への国境』

2017/05/01

観た映画。メキシコからアメリカへ不法入国を試みる移民たちを描いた映画『ノー・エスケープ 自由への国境(原題:Desierto)』。アメリカのトランプ大統領がメキシコからの不法移民や違法薬物、テロなどを未然に防ぐ目的で「メキシコとアメリカの国境に壁を建設する」と豪語していることもあり、非常にセンセーショナルなテーマです。

ノー・エスケープ 自由への国境

監督のホナス・キュアロンは2014年度のアカデミー賞で7部門受賞した映画『ゼロ・グラビティ』の監督アリフォンソ・キュアロンの息子。ちなみに残念ながら脚本賞は逃していますがふたりは『ゼロ・グラビティ』で共同脚本を執筆しています。そして本作も2017年度のアカデミー賞でメキシコ代表として外国語映画賞にノミネートしました。

本作のテーマと構成は非常にシンプルでわかりやすく、メキシコからの移民15人が全長3,152キロもある国境を自力でわたるというもの。2国間の国境にひかれているのは有刺鉄線のみ。これをまたいで通過することは容易いのですが、本作の中心となるのは移民たちがアメリカ国土に足を踏み入れたところから。

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正体不明の襲撃者

永遠と広がる砂漠。本当にこの先にアメリカがあるのかと不安にさえなる。熱帯のなか重い荷物を背負って歩くだけでも体力が奪われるのに、いつ敵が現れるかと神経をすり減らしながら歩みを進めていく。そこに突如はなたれた銃弾が一人、また一人と撃ち抜いてゆく。武器も水も逃げ場もない不法移民たちと、銃と猟銃犬で彼らを追い詰める正体不明の襲撃者。一瞬たりとも目が離せない、メキシコとアメリカ間国境で繰り広げられるスリリングな死闘、逃走劇のエグさに思わず目を覆ってしまうかもしれません。

ミソは「しゃべるクマのぬいぐるみ」

そしてこの映画のミソとなるのは主人公モイセス(ガエル・ガルシア・ベルナル)が娘から預かっている「しゃべるクマのぬいぐるみ」。ぬいぐるみのどこかにあるスイッチ(モイセス自身もわかってない)を押すとクマが「I LOVE YOU」とかなんとか可愛らしい声でしゃべるのですが、これがもう不気味で仕方がない。このクマさん、本当に殴りたくなるくらい空気読めません。

あとは観てくださいという他ないのですが、今にもこのようなことが両国国境で起こっているのかと思うと複雑な心境になります。少なくとも有刺鉄線でしか国境が示されていないことの弊害を垣間見ることはできる映画だと思います。

2017年5月5日より全国順次公開。

作品情報

【監督】
ホナス・キュアロン(『ゼロ・グラビティ』共同脚本)
【キャスト】
ガエル・ガルシア・ベルナル、ジェフリー・ディーン・モーガン、アロンドラ・イダルゴ、ほか
【製作年】2015年
【製作国】メキシコ、フランス合作
【上映時間】88分
【配給】アスミック・エース
【公式サイト】http://desierto.asmik-ace.co.jp

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