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午前十時の映画祭8:その②『ショーシャンクの空に』

2017/05/18

ショーシャンクの空に(字幕版)

観た映画。午前十時の映画祭8より、『ショーシャンクの空に(原題:The Shawshank Redemption)』。この映画は3年ほど前に観たきりだったのですが、正直なんにも覚えていなかったので初見のような心持ちで鑑賞できました。

観たのが休日ということもあり、郊外の劇場にもかかわらずシアター内満席。普段はレイトショーメインなせいか観客3人ということもザラにあるので、いつ潰れるのかと心配していましたが、映画館ロビーも活気があってまったく無駄な心配でした。というか、書くのをダラダラしていたらとっくに終わっちゃいましたね。すみません・・・。

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抜け目のないストーリー

原作は「キャリー」「シャイニング」などの小説をはじめ『スタンド・バイ・ミー』や『グリーンマイル』など数多くの映像化作品も手がけているアメリカの小説家スティーヴン・キング。本作は彼の中編小説「恐怖の四季」の中に収録されている一節「刑務所のリタ・ヘイワース」の映画化です。

1947年、ショーシャンク刑務所で既に20年服役している「調達屋」エリス・ボイド・レディング (通称:レッド/モーガン・フリーマン)が仮釈放の審査に落ちた日、刑務所一帯に警報音が響き渡る。それは新たな受刑者を乗せたワゴン車が到着するサインであり、その中にいたひとりが妻とその愛人を射殺した罪で入所してきた銀行福頭取の若者アンドリュー・デュフレーン (通称:アンディ/ティム・ロビンス)だった。

彼は無実の罪で無期懲役になったといい、刑務所内でもひとり冷静を保ち、レッドたちとは時間をかけて打ち解けていく。ある日、刑務官主任の税金控除のための書類作成を担ったことをきっかけに、所長や刑務官からも一目置かれるようになると、いつしか所長が受け取った賄賂の保管、管理までをも請け負うように。

真面目な元銀行員のアンディを疑うことなく利用して資産を築いていた所長と、「利用されている」ことを逆手にとって所長を「利用した」アンディの見事な謀略劇が見事であり、最後まで抜け目のない脚本には驚かされます。

とにかく人物のキャラクター設定と彼らの言動が、ごく自然にすべての辻褄と合うようになっていて面白い。例えば、アンディが「真面目な」銀行員だったという前提もそうだし、後から入所してきたトミー・ウィリアムズ(ギル・ベローズ)が軽犯罪の常習犯でいろんな刑務所を転々としてきた人物であるというのもそう。丁寧に見れば見るほどうまくできていると感じられます。

リタ・ヘイワースのポスター

原作が「刑務所のリタ・ヘイワース」であるように、映画に登場するリタのポスターが後々重要になってきます。なぜリタ・ヘイワースなのかといえば、彼女は1940年代にセックスシンボルとして世の男性を魅了した女優であり、この映画のなかでも受刑者たちが彼女の代表作のひとつ『ギルダ』を観ているシーンがあります。

スクリーンにリタが登場するや否や受刑者たちが一斉に「たまんねえ」と言わんばかりの歓声をあげますが、パッと一瞬だけ映る彼女の美しさには女でも溜め息がでてしまうほど。あの重たいまぶたが妖艶でいいんですねえ。

リタ・ヘイワースはセクシーさと可憐さを兼ね備えた魅力溢れる女優ですが、その10年後にはマリリン・モンロー、さらに10年後にはラクウェル・ウェルチと時代ごとにセックスシンボルの対象も変わっていきます。それらはすべて、アンディの部屋に飾られるポスターによって知ることができ、同時に終わりなき獄中生活の時の経過を表しています。

リタ・ヘイワースから始まり、ラクウェル・ウェルチで終止する。20年という時を女優で表現するって素敵だなあ。

圧巻の空撮

この映画のなかで一番印象に残っているのは、開始15分くらいの場面。

キャメラが、アンディたちを乗せたワゴン車が刑務所に向かっていくのを追うようにして、そのまま刑務所の上空を抜ける。上空から映されるのは受刑者たちがゲートに向かって一斉に移動している様子。

これはもう大画面でみたら格別でした。ふわーっと浮いていくような映像がトーマス・ニューマンの音楽と合わさったとき、完全に押しつぶされてしまった。感極まって最後までこの場面が頭から離れませんでした。

あと、アンディがトイレに行った刑務官を閉じ込めて、館内放送を使って音楽を流すシーンも良かった。所長がドアの外から激怒しているのを見たアンディは、それを楽しんでいるかのような微笑みを浮かべて、つまみを回して音量をさらに上げる。結局独房に入れられちゃうんですけど、あれはいいシーンでした。

名作と言われている理由が分かる良作です。

★★★★☆

作品情報

【監督】フランク・ダラボン
【キャスト】ティム・ロビンス、モーガン・フリーマン、ボブ・ガントン、ほか
【製作年】1994年
【製作国】アメリカ合衆国
【上映時間】143分

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